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トラネキサム酸の美白効果について医師が解説します

2023.06.28

トラネキサム酸の美白効果について医師が解説します

美白効果が期待できるトラネキサム酸には、メラニン色素の生成を阻害し、炎症を鎮める効果があります。これにより肌トーンを明るくすることができます。具体的には、そばかすや肝斑、老人性色素斑、傷などの炎症後にできるシミに対して有効です。それでは、その美白効果について現役の医師が丁寧に解説いたします!

目次

トラネキサム酸の美白効果

内服薬によって得られる美白効果

トラネキサム酸には、シミの原因となる色素の生成を抑える効果や炎症を抑える作用があります。そのためトラネキサム酸を内服することで美白効果を得ることができます。
紫外線や摩擦などの要因により、シミの原因となるメラニンが過剰生成されます。これによって肌のトーンが暗くなっている場合、トラネキサム酸の内服が有効です。継続して服用することで肌のトーンが明るくなる可能性があります。
具体的には、そばかす、肝斑、老人性色素斑、傷跡、炎症後の色素沈着などのシミに対して効果があるとされています。


この美白効果には、トラネキサム酸が持つ「抗プラスミン作用」と「メラニン抑制作用」の2つの働きが大きく関係しています。以下では、トラネキサム酸が持つ美白効果のメカニズムについて詳しく説明していきます!

トラネキサム酸の美白効果のメカニズム

内服薬によって得られる美白効果は、以下の作用機序によって実現されます。

トラネキサム酸の抗プラスミン作用による美白効果

トラネキサム酸には「プラスミン」と呼ばれるタンパク質の生成を抑制する効果があります。シミの予防と改善には、このプラスミンの分泌を抑えることが重要です。プラスミンは出血時に発生します。血液凝固を抑制すると同時に炎症を引き起こす物質です。トラネキサム酸の抗プラスミン作用により、プラスミンの過剰な生成が抑制され、血液凝固や炎症反応が適切に制御されます。この働きによってシミの改善が期待されるのです。
また、炎症を鎮める効果もあります。そのため一般的なシミや肝斑だけでなく、炎症後の色素沈着の予防や改善にも効果を発揮します。

トラネキサム酸のメラニン抑制作用による美白効果

肌の構造の画像

内服によってメラノサイトと呼ばれる色素産生細胞の活性化を抑制します。メラノサイトが過剰に活性化すると、メラニンという色素が過剰に生成されます。この過剰に生成された色素がシミや色素沈着の原因となります。トラネキサム酸はメラノサイトの活性化を阻害することで、メラニンの生成を抑制し、シミの形成を予防・改善します。さらに、トラネキサム酸には炎症を鎮める作用もあります。炎症は肌の色素沈着を促進する要因の一つです。したがって炎症が起きるとシミや色素沈着が悪化する傾向があります。トラネキサム酸の炎症抑制作用により、紫外線や外部刺激による炎症が軽減されます。

以上のように、トラネキサム酸はプラスミンの生成抑制、メラノサイトの活性化阻害、炎症抑制という複数の作用機序によって美白効果を発揮します。これにより、そばかす、肝斑、老人性色素斑、傷などのシミの改善や予防に有効とされています。さらに一般的なシミや肝斑だけでなく、炎症後の色素沈着を防ぐ効果が期待できます。

トラネキサム酸の美白効果の科学的根拠

トラネキサム酸500mgの画像

トラネキサム酸による美白効果の研究結果

肝斑の平均改善率は半年間の継続使用で69%です。
トラネキサム酸には科学的な根拠と臨床データによって支持される美白効果があります。メラニン生成を抑制し、炎症を軽減することでシミやくすみの軽減が期待されます。したがって、肌の明るさの向上が期待されます。研究や臨床試験によるデータも、多くの人にとって明らかな効果が得られることを示しています。個人差はありますが、トラネキサム酸の内服によって肌の美白効果を実感することができるでしょう。

トラネキサム酸の使用上の注意点

トラネキサム酸の効果は個人の肌質や体質によって異なる場合もあります。また、効果の現れるまでには時間がかかることもあります。そのため継続的な使用が重要です。また、トラネキサム酸を使用する際には、医師や専門家の指導に従い正しい使用方法を守ることが必要です。総じて、美白効果に関する科学的な研究と臨床データは、その効果を裏付けています。
※個人の体験や効果には個人差があるため、自身の肌の状態や目的に合わせて適切な使用を検討することが重要です。

トラネキサム酸に関する論文は複数あります。気になる方はチェックしてみてください。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27173008/

トラネキサム酸内服薬の正しい使用方法と服用量

トラネキサム酸を飲んでいる女性の画像

内服を始めてから約4週間程度経過すると美白効果がゆっくりと現れ始めます。通常は数ヶ月から半年程度で多くの方に有効性が確認されます。即効性を期待するのではなく、継続的な使用が重要です。

トラネキサム酸内服薬の正しい使用方法

1日3回、食事の後に服用することが推奨されます。

トラネキサム酸内服薬の美白効果を得られる正しい服用量

1日あたりの使用量は750mgから1500mgの範囲になります。
過去の研究でも、トラネキサム酸の500mgから1500mg/日の用量が肝斑に対して有効であると報告されています。トラネキサム酸の半減期は1〜1.5時間と比較的短いです。そのため効果を最大限に引き出すためには1日3回に分けて服用することが望ましいとされています。

トラネキサム酸内服薬と美白化粧品の違い

効果を確認するための鏡の画像

内服することで、トラネキサム酸が体内に取り込まれ血液の凝固を抑制する効果があります。トラネキサム酸は、一部の皮膚トラブルに関連するメラニンの生成を抑制します。この効果により、肌の色素沈着やシミを改善します。
一方、化粧品の美白効果は、主に外用された製品の成分によってもたらされます。美白化粧品には、例えばハイドロキノン、アルブチン、ビタミンC誘導体など、メラニンの生成を抑制する成分が含まれていることがあります。これらの成分は、肌の色素沈着やシミの軽減に寄与するとされています。つまり、トラネキサム酸の内服薬は、体内でのメラニン生成の抑制を目的としており、全身的な効果が期待できます。一方、化粧品の美白効果は、直接肌に塗布することで局所的に働くことが特徴です。
美白効果は、使用開始後の時間経過や個人の特性によって異なります。以下に、内服薬の美白効果の現れ方と期待される結果についてまとめました。

トラネキサム酸内服薬の美白効果の現れ方

トラネキサム酸の内服によって期待される美白効果トラネキサム酸を内服することによって期待される結果としては、以下のような効果があります。

シミやくすみの軽減

メラニンの生成を抑制し、シミやくすみの薄化や消失を促すことが期待されます。肌が明るく均一なトーンになり、透明感が高まります。

肝斑の改善

肝斑の色素沈着を軽減する効果が期待されます。使用によって肝斑の色素が薄くなり、トーンが均一化されることで、肌の美白効果が実感できます。

赤みの軽減

抗炎症作用があります。したがって肌の赤みや炎症を軽減することが期待されます。肌のトーンがより健康的になり、赤みのない均一な肌色を取り戻すことができます。

美白効果の実感や結果は、個人差や肌の状態によって異なります。効果を最大限に引き出すためには、定期的かつ適切な使用が必要です。また、トラネキサム酸内服薬と併せて適切なスキンケアを行うことも重要です。継続的な使用と継続的なスキンケアの組み合わせにより、より明るく均一な肌トーンを実現することができます。

トラネキサム酸の美白効果のまとめ

肌の美白効果を期待する上で、トラネキサム酸内服薬は有望な選択肢です。服用開始後4週間前後で効果が現れ、数ヶ月から半年で多くの方に有効性が認められます。効果の現れ方や結果は個人差があります。そのため継続的な使用と適切なスキンケアの組み合わせが重要です!ご興味がある方は、デジタルクリニックグループのオンライン診療でトラネキサム酸の処方を受けることができます。気になる方はぜひ診察予約をお試しください。
正しい使用方法と医師の指導に従い、美白効果を実感するためにトラネキサム酸内服薬を活用しましょう。

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公開日:2023年6月28日 最終更新日:2023年6月28日
作成:デジタルクリニックグループ医師